どの時代においても大量の質問に答えることは容易ではない。1996年までに弊社は、最高レベルの成功を収めようとする意欲、現在及び将来の才能、人間・仕事・周囲の環境に対する姿勢という3つの主な評価基準を元々の評価基準項目から抽出した。これら3つの基準を満たすものが現れるまで採用を決定するべきではない。
成功への意欲 (Drive to be Successful)
これまでの経験から私たちは、人がどれだけ成長できるかという指標として、その人の成功への意欲が大きく関わっていることを学んできた。意欲は人生におけるすべての事柄を方向付ける。人はそうなりたいという強い意欲を持っている限り、それは達成することが出来るのだ。今まで不可能だと思われたことを人の意欲によって達成されてきた。人間が月に到達することが出来たのも、それを成功させたいという強い意欲があったからこそである。
成功した人々を見てみると、その成功は彼らの根幹、つまり意欲によるものであることが分かる。彼らは誰それのようになりたい、何か大きなことを成し遂げたいという思いに突き動かされてきたのだ。自分がなりたいものを目指すのは、彼らが少年・少女時代の時から始まる旅のようなものである。自身の中にある強い意欲は人々に前進を続けていく力を与える。厳しい状況でも生き残り、最後に勝ち抜くには成功への意欲こそが必要なのだ。
過去16年間、私たちは目標に達するほどの意欲を持っていなかったばかりに、失敗する有能な人々の姿を数々見てきた。またその反対に、さほど能力を持っているように見えない人が大きな貢献をもたらしたケースも見てきた。こういったケースでは、彼らの意欲が彼らを困難な状況から救い、そして成功するために必要な能力を自発的に身につけさせていたように思う。だからこそ、社員を採用する際、弊社では個人が持つ意欲の強さ、またそれが弊社の目標及び企業文化に合致しているかを確認するのだ。
現在と将来の才能 (Present and Future Talent)
才能は成功における重要な要素である。私たちは、産業の発展のスピードよりも早く発展していくために必要な有能な人々を求めている。私たちは、長期的な発展をしていくために最適な人間を必要としている。私たちはあらゆる手段を用いて。出来る限り多くの選択肢の中から最も有能な応募者を選び出して採用したいと考えている。
しかしながら、多くの企業はより大きな、また名の知れた企業に劣等感を抱き、多くの有能な応募者を引き寄せることが出来ないと感じている。同様に、有名企業は有名であるというだけで、有能な応募者を引き寄せることが出来ると勘違いをしている。
私たちは利益の規模に基づいて企業の良し悪しを格付けしたりはしない。企業は、人を評価するときのように、平等に、その企業が従業員のためにどのようなクオリティ・オブ・ライフを提供しているかによって評価し得る、と私たちは信じている。
大きく、かつ安定して名声の高い企業の多くは、従業員のクオリティ・オブ・ライフの改善に対して考慮に入れないかもしれない株主によって成り立っている。つまり、私たちがするべき根本的な質問は、 「その企業にとって、従業員のクオリティ・オブ・ライフとは何か?」 である。
私たちは従業員を収入の大小によって比較するわけではない。これは会社を比較するときでも同様である。どんな企業で働く者であろうとも、すべての人は幸福であることを欲する。従業員のクオリティ・オブ・ライフを保証できるかどうかは、企業の人材に対する方針によるところが大きい。
採用評価基準に戻って・・・
人が何を達成したのかという事実はその人の素質を判断する重要なベンチマークとなる。素質を判断するのに他のものを使うのはお勧めしない。私たちは、四年制の大学制度は適切であると思っている。より高い成績を取得しているということは、その人が理解・分析・計画能力および責任感を有していることを表している。4年間で学生は平均的に50以上もの試験を受ける。要するに、彼らは自分にしか頼らず、あらゆる状況の中で試されてきたこの大学の四年間における成績は、彼らの才能を判断するのに十分なものである。職歴のある人に関しては、彼らの職場で残した実績こそが重要であり、何年働いていたかは重要ではない。一方で、その人が達成したことは同時に、その人が今後どれほど成長できるかを示す。将来、どれほど成長する余地があるかということも重要である。私たちは現在、どれほど素質を持っているかだけではなく、将来どれほど成長の余地を持っているかということも重要視している。
インタビューの間、私たちは応募者に自分たちのセールスポイントを述べてもらおうとする。彼らに自分自身について話してもらい、何故弊社に採用されるべきかについて説明する機会を提供しているのだ。私たちは標準化されたテストや試験についてはあまり信用していない。なぜなら、それらは本当の彼らの資質やどれほど進んで貢献できるかという重要な度合いについて判断することが出来ないからだ。誰よりも自身のことを理解しているのは彼ら自身であるので、彼ら自身によって自らを表現して欲しいと考えている。したがって、私たちは面接による方式を好むのであるが、 残念ながら、ほとんどの応募者はこのような質問に対する答えを十分に用意できていないことがしばしばである。これらの答えを用意するのには時間がかかるものである。
他人、仕事、および環境に対する態度 (Attitudes toward People, Job and Environment)
物事に対する態度は人の生き方を方向付ける。私たちの意思決定はすべて、他人、仕事、および周囲の環境をどのように理解するかに基づいている。素質は重要だが、その素質をどのように活かせるかは私たちの物事に対する態度次第である。時折、有能にも関わらず、正しい方向に自身を向けさせる姿勢が不足していることで、単純な失敗をしてしまう人を見ることがある。
有能な人物というのは、物事に対する良い態度を持つ人物よりも見つけるのが簡単なものである。最も有能な人間が、ある職務に最も相応しいとは限らない。なぜなら、時に過度な自尊心などが、仕事場において明白な問題となることがあるからである。物事に対する素晴らしい態度を持つことは必要不可欠であり、しばしばそれによって人々の心を推し量ることができる。
さらに、私たちは趣味と関心によって人の物事に対する態度を見極めることが出来ると考えている。しかし、物事に対する態度を見極める上でさらに重要なポイントは、その人が友人や同僚とどのような関係を築いているかを見ることである。物事に対する適切な態度を持つ従業員を雇うことで、その企業は必要のない社内の対立や争いが起こるリスクを少なくすることができるだろう。
成功への意欲や素質と比べて、物事に対する態度はより大切なもののように思われる。物事に対する適切な態度を持つ人々は面接官に好感を抱かせる。私たちは共に働けると感じることのできる人々を歓迎するのだ。